福井の高校演劇から表現の自由を失わせないための『明日のハナコ』上演実行委員会
19 мар. 2022 г.

3月18日(金)、顧問会議から回答がでました。

全部で6ページにわたるものです。ウエブサイトで読めます。

https://decc3630-4158-468a-9aec-b05e2f52d5ca.filesusr.com/ugd/7b6bf2_7d5a46c034324c8fa1695ab6d2153be3.pdf

このことが始まってずっと要望を出してきましたが、驚くべきことに、これが初めての回答です。そしてまたもっと驚くべきことに、これが初めての文書による回答です(昨年10/8の、あのとんでもない決定は文書ではありませんでした。口頭で言い渡されました。だから、その意味でも、今回は前進だと思います。文書に残るということは、発言に責任を持つということですから)。

かなりの譲歩を引き出せたのではないか、というのが現時点での感想です。たくさんの署名の力、それから僕たちの上演会に来てくださったみなさん、たくさんの上演会を企画するなど、連帯してくださった方々の支援の力が世界を動かしたのだと思います。

おかげで、下のような言葉を引き出せました。

「我々は『明日のハナコ』という作品そのものが差別的だということを一切認識していない。」

・・・いやいや。言いたいことはあります。ありますよ。玉村は、ある顧問の先生から面と向かって「あれは差別だ。駄目です」と非難されたことを覚えています。言った人は覚えてないかも知れないけれど、言われた人の悲しみは簡単に消えるものではありません。

とはいえ。顧問会議の先生方が全員そろって「ハナコは差別ではない」と宣言したのだから、これはもう、私たちの活動は勝利したと言っていいでしょう。

福井農林高校演劇部のみんな、みんなの劇は間違ってなかったんだ。みんなの努力は間違ってなかった。みんなは間違ってなかった。だからどうか、自信を持ってこれから進んでいって欲しい。

それから、大人だって間違うことがある。自分たちは善意のつもりでも、いや善意のつもりだからこそ、とんでもなく間違うことがある。それは人間だから当たり前のことです。でも、みんながこれから生きていく中で、そんな間違いが自分に降りかかってきたら、あるいは、誰かがそんな間違いに苦しめられていたら、ぜひ、手をさしのべてください。戦ってください。そうやって世界を変えてください。みんながそんな大人になってくれたら、僕たちが戦ってきたこの半年間にも意味があると思えます。

ただ、まだ少し、宿題が残っています。

一つは、ケーブルテレビでの放送のことです。回答書にはこうあります。

「玉村先生は『一人でも放送して欲しくないという生徒・保護者がいたなら、それを無視して放送しろと言うつもりはない』と明言してくださいました」

確かに言いました。とはいえ、この書き方は少し経過を端折りすぎです。

もともと、高校演劇祭での各学校の上演はそのまますべて放映されるはずでした。わざわざ生徒一人一人や保護者に確認をとるものではありません。例年おこなわれていることですから。

けれども今年、顧問会議は放映に難色を示しました。その理由としてさまざまなことを挙げてきました。そこには差別の問題もありました。そして最後に出てきたのが「生徒たちは非難されることをおそれて放映を望んでいない」から、というものでした。それに対して、玉村も「生徒がどうしても望まないのなら、無理強いはできない」と答えたのです。それはそうです。生徒には、嫌がる権利だってあります。

しかし。

昨日の会議で判明したことですが、前回の2/28の顧問会議で、「福井農林高校の2年生4人がそろって『放映して欲しい』と言ってきた」ということが報告されたそうです。この4人というのは、玉村の記憶が確かなら、劇の主力メンバーとして活躍した生徒たちです。彼らが意思表示したということはとても大事なことだと思います。

くわえて、前述の通り、顧問会議が「ハナコに差別は一切ない」と宣言してくださったわけですから、もうこれで十分、放映に向けて進んでいけばいいんじゃないか。実行委員会はそう考えます。

ところが。

3月20日(日)、福井農林高校で上映会をし、そこでまた放映に関する意思確認をするんだそうです。どうしてそこまでする必要があるのか。「一人でも放送を望まないなら」なんて但し書きを付けるのはどういうわけなのか。私たちにはその意図がよくわかりません。

でも。

これは、福井農林高校の演劇部の生徒と保護者のみなさんに主導権が移った、というふうに捉えてもいいんじゃないかと思います。これまでは顧問会議の先生方が決めていたけれど、いよいよみなさんが決めることができるようになったんです。みなさんが力を持つことになったのです。みなさんがOKを出したら世界は動くんです。これは、喜んでもいいんじゃないか。

ただし。

私たちは、これはもともとみなさんが持っていた権利だと思っています。劇を作ったのはみなさんです(もっと正確に言えばみなさんと玉村です)。『明日のハナコ』は、みなさんが演じて、装置を作って、照明や音響を操作した劇です。あの劇に対する権利はみなさんにあります。それが表現する権利です。それが基本的人権です。それがみなさんに戻ってきたんです。やっと。

そして顧問会議の先生方も太鼓判を押してくれました。

『明日のハナコ』はよい劇です。

みなさん、胸をはってください。あと少しです!

         玉村徹

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