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3・19緊急院内集会報告②米国獣医行動学専門医の入交眞巳さんがプレゼン 母子分離によるストレスからの鳴き声「6~7週齢がピーク」、「せめて8週齢まではお母さんと一緒に」

TOKYO ZEROキャンペーン

Apr 9, 2019 — 

女優の浅田美代子さんやミュージシャンの世良公則さんらの呼びかけで3月19日に開かれた「悪質な繁殖業者やペットショップをもう野放しにしないで! 8週齢規制・各種数値規制・繁殖業の許可制を求める緊急院内集会」には、与野党17人の国会議員の皆さんや、発信力・影響力のある著名人の方が多数参加しました。皆さんの発言を随時ご紹介しています。

2回目では、米国獣医行動学専門医の入交眞巳・獣医師によるプレゼンテーションの内容をご紹介します!

なぜ8週齢規制なのか。科学的根拠を求めて、同じ条件で犬を育て、違う週齢で引き離すという研究をあえてやるというのは、動物福祉の観点から、今はできません。ではなぜ西洋では、こういう研究をするということができない中で、母親から離乳するのが8週齢以降が良いと言っているのか。

昔から、それを裏付ける研究がたくさんあります。まずKatherine A. Houpt先生が書いた「Domestic Animal Behavior for Veterinarians and Animal Scientists」からご紹介します。犬の発達行動学について書いてあります。

この本によると、6週齢になると母親から離乳させることはできるようです。ところが6週齢の子犬というのは、きょうだい犬や母親から引き離されると、10分間で平均して1400回くらい、不安からの声を出して鳴くということがわかっています。7、8週齢になりますと、徐々にお母さんからいろいろなことを教わりながら、自然に離乳をされながら、「こういうことは嫌です」「こういうときは不安です」というような行動をお母さんから教えてもらいながら、恐怖の姿勢、不安なときの姿勢を取れるようになってきます。

自然に離乳される時期というのが、平均して7週齢から10週齢になっています。じゃあ7週齢で切って良いのかということになるのですが、7週だと平均の一番最初ですから、まだまだ離乳されていない子が多くいます。そこで切ってはどうなんだろう、せめて8週まではお母さんと一緒にさせたほうがいいだろう……と推測するわけです。また、7週齢で離乳させて1匹にさせるとまだまだ不安で鳴く子が多いので、8週齢でどうだろうかということもあります。こういうあたりから、8週齢規制というのが出てくるのだろうと思います。

また実際に、1950年代から、いろんな犬を集めて遺伝学的な研究をやろうとしていたScott とFullerという研究グループが、本当にたくさんの犬を、それこそ同じ環境で育てて、子どもをたくさん生ませて、遺伝的にどうなるのかを研究しました。その研究のなかで、発達行動学のいろんな特徴があることに気付いて論文と本にまとめています。

その中に、1961年の論文があります。子犬をお母さんから離して1匹にして、新規の場所に入れると6~7週齢をピークに、ストレスからの鳴き声を多く出す。その後、徐々に徐々に低下していって、12週齢で1匹にさせるとほとんど声をあげない。ですからこの時期が重要な社会化期と呼ばれる時期なのではないかと言うことが、ここで言われています。これは、この時期に、情動的な発達が見られていくことを示しているのではないか、とこのチームは言っています。情動面が発達して落ち着いてくるのは、7週と8週が境になっているのがわかっているので、やはり8週齢まではお母さんと一緒にいさせたほうが安全じゃないか、という考えになるのだと思います。

1960年代の研究からずっと専門家皆が8週齢を一般論として考えているのですが、なぜ日本の繁殖の現場ではそれが受け入れられないのか。私は競り市をしているところに行ったことがあり、そこで繁殖をしている人の話を聞いたことがあります。そこでは「6週齢まで子犬を置いておくと、子犬がやんちゃになってしまって、お母さんにかみついたりあばれたりして、お母さん犬が参ってしまう。8週まで置いておいたら、お母さんは子犬に殺されちゃう」とおっしゃっていました。「動物愛護から考えてもこれではお母さん犬がかわいそうだから、8週まで法律でやろうなんてとてもじゃないけど無理だ」と。

ではなぜ、繁殖の現場の人がこういう印象を受けるのか。やはり環境がすごく大切なんです。狭い犬舎でお母さんも子どもも一緒くたに入れられていれば、子犬におもちゃも与えられず遊ぶ場所も与えられなければ、子犬は母親に飛びかかって遊ぶしかありません。たとえば4匹の子犬が一気に母親に飛びかかって遊んで、かみついたら、母親は参っちゃいます。我々人間と同じですよね。もし6畳一間で子どもを何人も育てていて、しかも子どもが外に出られない状態だったら、私たち人間も参ります。

50年代、60年代にやっていた実験では、どういう施設で子犬の様子を見たのか。3メートル×5・4メートルのお部屋を設置して、そのなかに子どもを産めるスペースとか、ご飯を食べられる場所とか、ヒーターとか、すべて入っていて、そういうところで母親と子犬の研究をしていました。ですから、我々の言っている8週齢というのは、やはり環境が整っていてこその8週齢。狭いところに閉じ込めて8週齢まで行かせたら、それはやはり現場の方が反対する理由はわかる。

ですから8週齢規制をやるのであれば、皆さまがいま言っているように、飼養施設の数値規制などもしっかりやり、環境を整えてあげないといけません。お母さん、広いところであれば、子犬に痛いことをされたら「痛い。これやっちゃいけません」と教えます。それを教えるのが離乳期における犬の社会化なんです。でも狭い場所だと、教えられずに子犬にやられちゃうのかもしれない。ですから環境がすごく大事なんです。お母さんは広い場所で離乳という作業をしながら、子犬に犬としてのコミュニケーションを教えています。飼育環境の規制を、8週齢と一緒に必ずいれていただきたいと思います。そうすれば、私たちが目指すゴールに近づけるのではないかなと思います。

今回の緊急院内集会ではほかにもたくさんの方が、熱い思い、切実な願いを語ってくださいっています。随時ご報告して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。


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