風力発電から野鳥・人を守りたい

風力発電から野鳥・人を守りたい
私たちは、野鳥と人間に悪影響を及ぼす恐れのある陸上風力発電建設計画に反対する運動をしています。事業を支援している首長宛ての署名にご協力ください。
世界自然遺産「白神山地」の秋田県側に、「バスケの街」能代市があります。市の南側には、一晩に十数万羽の渡り鳥が飛来し、日本一の渡りのルートと言われる「小友沼」があります。米代川を挟んだ北側には、彼らの餌場の一つである「東雲台地」があります。縄文遺跡が残る優良な農地でもある東雲台地に、1基4,200kWの風力発電を25基建設する計画があります。能代市も出資する「(仮)能代山本広域風力発電事業」計画によるものですが、環境省と秋田県がその「環境アセス準備書」に対し、①「ガン・ハクチョウの移動経路の阻害等の影響を回避・低減するため」、設置の取りやめ又は配置等を見直す②冬期の希少猛禽類の調査時間が不十分、という意見書を出しています。
すでに、周辺には2,000kW未満の風力発電が立ち並び、住民への健康被害の心配は消えません。待ったなしの地球温暖化への対応として、「脱炭素社会」の構築が世界中で進められ、再生可能エネルギーである風力発電に注目が集まっています。つい数年前までは全くその気のなかった日本は、「乗り遅れるな」とばかりに菅前首相が音頭を取って猛進を始めました。しかし、これを「ビジネスチャンス」ととらえ、行き詰まった大企業を国民の金で支援しようというものではないでしょうか。風力発電が必要だとしても、こういう場所に設置して良いのか疑問があります。
風力発電は、二酸化炭素を出さないとは言え、人や野鳥などへの悪影響や不安定な電力供給のためバックアップ電源が必要など多くの問題を抱えています。このように、環境への配慮に欠けた再エネは、本当に「地球に優しいエネルギー」と呼べるでしょうか。また、「環境負荷の軽減」という付加価値の付いた電源と言えるでしょうか。そして、このように作られた電気を使うことが企業価値を高めることになるのか、はなはだ疑問です。ESGを重視する投資家は、投資対象から外すことにならないでしょうか。市や町のイメージダウンにならないでしょうか。
私たちは、地元で建設反対の署名活動などを行ってきましたが、住民の関心は高まらず、未だ2500筆の集約にとどまっています。この地で作られた電気は他県へ送られます。みなさんや企業が使う電気が、どのような過程で作られるのか、関心を持っていただき、環境に優しくない「再エネ」を生むことのないよう、建設反対の署名にご協力をお願いします。