重大事故の責任を問う『組織罰』を創設しよう!

重大事故の責任を問う『組織罰』を創設しよう!

◯重大事故の責任を誰も取っていない
2005年4月に、JR福知山線で列車の脱線事故が発生して、107名(乗客106名及び運転士)が亡くなり、500名以上が負傷しました。
しかし、事故から11年経った現在でも、その重大な事故の法的責任は誰にも科せられていません。なぜそのようなことになっているのでしょうか。
◯組織も罰せられない
JR福知山線事故の加害者であるJR西日本という組織は、刑法に組織を罰するという考え方がないために、全く刑法上の罪に問われていません。
日本の刑法体系は、今から100年以上も前につくられました。組織の活動が社会に及ぼす影響は、現在では当時と比較にならないほど大きくなり、それによって市民が被害を受ける可能性も飛躍的に増大しています。
それにもかかわらず、“刑法は個人を罰するためのもの”という大原則は100年経っても変わっていません。
また、福知山線事故の個人の責任を裁く刑事裁判では、JR西日本の元社長が起訴されましたが無罪となり、強制起訴された歴代3社長も、地裁、高裁のいずれにおいても無罪となっています。
つまり、100人以上が亡くなった重大事故であるにもかかわらず、誰も罰せられていないという納得できない状態が続いているのです。
このような事例は、福知山線事故だけに限りません。中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故などの場合でも同様です。
◯重大事故の発生を防ぐために
重大事故の再発防止や未然防止のためには、徹底した事故調査とともに、刑事裁判において、事故を起こした組織が適正に責任を問われ罰せられるという法的なシステムが必要です。
組織が業務を遂行する上で、最も重要な安全対策を行っていなければ罰せられるという法的規制がなければ、組織は安全管理にコストをかけずに活動し、その結果として、何の落ち度もない市民の命が奪われる重大な事故が起こりかねません。
◯「組織罰」の実現を
私たち「組織罰を実現する会」は、福知山線事故やその他の組織事故の遺族、それを支援する弁護士や研究者などによって構成される会です。
組織が重大な事故を引き起こした場合に、当事者である組織(企業・法人など)を罰することのできる法律を創設するために活動しています。私たち遺族と同じ悲しみや無念さを抱き続ける遺族が二度と出ないように、という思いで活動にとり組んでいます。