ハンセン病問題を次の世代に伝えるため、多磨全生園に残る樹木や建物を残してほしい!

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110年前に開設された、東京都東村山市にある国立ハンセン病療養所多磨全生園。

ハンセン病にかかったために故郷や家族から離され、断種・堕胎の強制など長きにわたり人権を奪われた人たちが今なお暮らす場所です。

人びとが想いを込めて植えた園内に残る樹木や建物の一つひとつは、隔離政策の歴史を物語る貴重な資料であり、そこで暮らした人たちの記憶を次の世代につなぐために欠かせないものです。

隔離の象徴として園の周囲約660メートルにわたり植えられた柊の垣根は、2020年2月18日頃、突然倒され、2週間あまりで根こそぎなくなってしまいました。

かつての暮らしを伝える建物も、保存の措置がされないまま朽ち果てつつあります。

私たちは、今後、老朽化や園内整備の名目により、これらの貴重な資料がなくなってしまうのではないかと懸念しており、現在残っている樹木や建物を保存してほしいと望んでいます。

 

私たちが伝えたいこと

  • 負の歴史遺産であり、国民的価値のある場所であり、人権学習の場として地元の子どもたちからも愛されてきた多磨全生園が、どんどん壊されようとしています。
  • 全生園を象徴する柊の垣根でさえ、すべて抜かれてしまいました。多磨全生園の将来構想としての「人権の森構想」を形あるものになるよう、保存、保全、調査、復元などを進めてもらいたいと強く望んでいます。
  • 「人権の森構想」を前に進めるため、多くの方の賛同を集めたいと思っています。国立ハンセン病療養所多磨全生園と東村山市には、具体的な方針を策定するための場を開くよう求めます。

 

参考:

国立ハンセン病療養所多磨全生園

多磨全生園ガイドツアー

人権の森構想とは

 

以下に私たちの想いをまとめていますので、ご一読いただけたら嬉しいです。

 

1.隔離政策の歴史を物語る場所

1958年以降、医学的根拠をもって隔離政策の破棄が世界的な動きとなったにも関わらず、日本の隔離政策の元となった「らい予防法」は1996年まで続きました。

同じことが二度と繰り返されないよう、負の記憶をどう残していくのか。

何を残し、どう伝えていくのかはまだ公には何も決まっていません。(園に問い合わせましたが、現在までに回答を得られていません)

歴史的価値がきちんと話し合われないまま整備が進んでいくことは、多磨全生園の歴史だけでなくこの国の隔離政策の歴史や、そのなかで生きてきた人たちの記憶を消し去ろうとするものではないでしょうか。

 

2.人権学習の場として

多磨全生園は、地元市内全ての小学校の人権教育や市民団体、企業の人権啓発事業など、多くの人たちが訪れる学びの場になっています。

園内に残る隔離の記憶に触れることにより、気づくこと、感じることも多いはずです。

2019年のハンセン病家族訴訟の熊本地裁判決では、差別解消のための教育が足りなかったと文部科学省の責任にも言及されました。

私たちの社会の過ちをどう伝えていくのかが問われており、人権学習の場としての意義はより大きなものになっているはずです。

 

3.象徴だった柊の垣根がなくなった日

 国立ハンセン病療養所多磨全生園の外周を囲むように、柊の垣根はありました。

私たちが作業に気づいたのは2020年2月18日、それから1週間ほどでほとんどの垣根は伐根されてしまいました。

柊の垣根は、療養所の中と社会を隔てるいわば「壁」であり、高いときには3メートルの高さがあったと言います。

外からは中が見えないように隠す役割を、中で暮らす人にとっては自分たちを閉じ込めるため、逃走防止の役割も果たしました。

お互いが見えないようにある柊の垣根は、物理的に中と外を分けただけでなく、心理的な隔たりをも深く刻むものだったと思います。

 柊の垣根は、国の誤った隔離政策の象徴であり、そこで暮らす人たちとともに生きてきた証人でもあったのです。

 

4.「人権の森」として残したい

多磨全生園に広がる森は、もともとあったものが残っているわけではありません。

入所の方たちが、人間らしく生きたい、自分たちが生きてきた証を残したい、自分たちがいなくなった後も地域の人たちの憩いの場にしてほしいと思いを込めて1本1本植樹した森は、いつしか「人権の森」と呼ばれるようになりました。

 

歴史を物語る森と建物を残すため、はやく将来構想の策定を進めることを望みます

柊の垣根のみならず、多磨全生園のなかにはたくさんの樹木・建物・史跡があり、そのすべては、国の隔離政策がどういうものであったのかを示す歴史的資料です。

私たちは、国や社会が何をしてきたのかを残すことに意味があると思っています。

 

発起人:若月一晃、三浦博史、大田原恵