徴用工問題は“解決済み”ではありません。今こそ被害者の人権と尊厳の回復を求めます。

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 2018年、大韓民国(韓国)の大法院(最高裁)は、日本製鉄と三菱重工に対して、強制動員被害者(元徴用工と元女子勤労挺身隊員)への損害賠償を命じる判決を下しました。それに対し、日本政府は、徴用工問題は1965年の日韓請求権協定によって「解決済み」としたうえで、それを蒸し返した大法院判決は国と国の合意に反する「暴挙」であり、「国際法違反」だと非難するとともに、韓国に対し輸出規制による制裁を加えました。このように、韓国の司法を全く尊重せず、被害者の人権を顧みることもなく、逆に韓国を責め立てる日本政府の態度は、今日にいたるまで基本的に変わっていません。とくに、被告企業が賠償に応じないため、韓国では企業資産の差し押さえと売却に向けた手続きが進められていますが、日本政府はそれにも強く反発し、資産売却の場合には韓国への新たな報復措置をとるという姿勢さえ表明しています。

 元徴用工と元女子勤労挺身隊員は、アジア太平洋戦争中、日本の植民地支配下の朝鮮半島から動員され、過酷な労働に従事させられた人々であり、だましや脅迫による動員、賃金未払い、拘束・暴行など重大な人権侵害を受けた人々です。この人々が違法な「強制労働」の被害者であることは、日本製鉄徴用工裁判の大阪地裁判決(2001年)をはじめ、日本の裁判でも認められているとおりです。

 では、それらの被害が日韓請求権協定によって償われたかと言えば、全くそうではありません。日韓請求権協定は、そもそも賠償の意味をもたない「経済協力」の協定であり、その協力(供与・貸付け)は「大韓民国の経済の発展に役立つものでなければならない」(第1条)とされていました。請求権協定が賠償を含まないことは、1965年11月の国会で椎名悦三郎外相(当時)が、韓国への経済協力は「新しい国の出発を祝う」ものであり、賠償とは何ら「関係はございません」と述べたことからも明らかです。こうして、強制動員を含む人権侵害の問題は、請求権協定によっては全く解決されず、今日まで未解決のまま残されてきたのです。

 たしかに、日韓請求権協定には、両国の請求権の問題が「完全かつ最終的に解決されたことになる」(第2条)と書かれています。しかし、それが意味するのは、両国が国家の外交保護権(被害者の国が相手国に賠償を要求する権利)を相互に放棄することであって、個人の賠償請求権を消滅させることではありません。このことは、じつは日本政府自身がこれまで繰り返し認めてきたことです。たとえば1991年8月の国会で、柳井俊二外務省条約局長(当時)は、請求権協定の「完全かつ最終的に解決」の意味について、「個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません」と述べ、また2018年11月の国会でも、河野太郎外相(当時)が、「個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではございません」と答弁しています。このように個人請求権が残っている以上、それにもとづいて日本企業が被害者に賠償することは十分可能であり、かつての請求権協定はそれを妨げる理由にはなりません。

 中国人強制連行の問題では、日本企業が自らの責任を認めて謝罪し、基金を設立して被害者の救済を図る方式で和解を進めてきました。朝鮮人強制連行についても、不二越訴訟で最高裁和解にいたった例(2000年7月)など複数の和解例があります。それらの前例に学び、またドイツの「記憶・責任・未来」基金による強制労働への賠償の例などを参考にすれば、今回の徴用工問題についても解決への道が開けるはずです。被告企業は、大法院判決を受け入れるとともに、自発的に人権侵害の責任を認め、謝罪・賠償を含む誠意ある行動をとるべきです。

 日本政府は、まず問題は「解決済み」という虚構を捨てるべきであり、当事者たちの問題解決への取組みを妨害するのではなく、それを積極的に支援するべきです。と同時に、韓国への輸出規制をはじめとする敵対的政策をやめることが必要であり、今後、企業資産の売却に対する新たな報復措置をとるなど言語道断です。

 さらに、同じく過去の植民地支配下に起きた人権侵害であり、最近、日本政府に賠償を命じる判決が出された日本軍「慰安婦」問題についても、政府は誠実に取り組むべきです。日本政府は、植民地支配全般への歴史的責任に向き合い、被害者の立場に立った過去の克服を目ざしつつ、朝鮮半島の政府・市民との友好関係を築くよう努力することが求められています。

(注)本文書で「徴用工問題」というときは、強制労務動員の被害者全体を指します。

2021年1月

呼びかけ人(姓のアイウエオ順。※は世話人)

安里英子 沖縄恨之碑の会・共同代表

浅野健一 元同志社大学大学院教授

足立修一 弁護士

李泳采 恵泉女学園大学教員、NPAコーディネーター代表

飯倉江里衣 神戸女子大学教員

池田恵理子 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)

井桁碧 VAWW RAC(Violence Against Women in War Research Action Center)

石川逸子 詩人

石川求 東京都立大学教員 ※

石原 燃 劇作家・小説家

石原昌家 沖縄国際大学名誉教授 

市場淳子 韓国の原爆被害者を救援する市民の会・会長

内田雅敏 弁護士

大槻とも恵 モントリオール大学研究員

沖本富貴子 沖縄大学地域研究所特別研究員

沖本裕司 沖韓民衆連帯/南京・沖縄をむすぶ会

奥本京子 大阪女学院大学教員

落合栄一郎 米国ジュニアータ大学名誉教授

梶村太一郎 ジャーナリスト(在ベルリン)

梶村道子 ベルリン女の会会員

勝方=稲福 恵子 早稲田大学名誉教授

勝守真 元秋田大学教員 ※

門 更月 ピースウィーク in NAGASAKI 実行委員会代表

金富子 東京外国語大学教員

木村朗 鹿児島大学名誉教授

久保田竜子 ブリティッシュコロンビア大学教員

熊谷伸一郎 『世界』編集長

レイチェル・クラーク 通訳/グローバルコーディネイター、ベテランズフォーピース・終身会員

斉藤正美 富山大学非常勤講師、コリアプロジェクト@富山

崎山昇 岡まさはる記念長崎平和資料館 理事長 

佐相洋子 恵泉女学園大学平和文化研究所研究員

島袋マカト陽子 東京琉球館主宰

申 惠丰 青山学院大学教員

新海智広 長崎の中国人強制連行裁判を支援する会・事務局長

杉田聡 元帯広畜産大学教員

辻子実  「植民地歴史博物館」と日本をつなぐ会スタッフ

瀬口典子 九州大学教員

園田尚弘 長崎大学名誉教授

高雄きくえ 広島・ジェンダー・「在日」資料室準備会世話人

高嶋伸欣 琉球大学名誉教授

高田健 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会共同代表

高橋哲哉 東京大学教員

高橋博子 奈良大学教員

高橋信 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会共同代表

高原孝生  明治学院大学教員

高村竜平 秋田大学教員 

竹内康人 歴史研究者

田代雅美 長崎市民

田中宏 一橋大学名誉教授

谷口功 川崎市民

殿平善彦 一乗寺住職 

外村大 東京大学教員

豊永恵三郎 韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部世話人(被爆者)

中川美由紀 不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会事務局

中田光信 日本製鉄元徴用工裁判を支援する会 

中野敏男 元東京外国語大学教員

中野昌宏 青山学院大学教員

永原陽子 京都大学教員

成澤宗男 ジャーナリスト

西岡由香 漫画家

能川元一 大学非常勤講師

野平晋作 ピースボート共同代表

乗松聡子 ピース・フィロソフィーセンター代表 ※

Kyung Hee Ha Eclipse Rising

長谷川澄 元マギル大学専任講師

方清子 日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク

飛田雄一 神戸学生青年センター理事長/強制動員真相究明ネットワーク共同代表

平野伸人 平和活動支援センター所長 在外被爆者支援連絡会共同代表

藤岡 惇 立命館大学名誉教授

藤原法子 市民運動ネットワーク長崎共同代表

裵 安 横浜市民

洪ユン伸 大学非常勤講師

前田 朗 東京造形大学教授 

松元千枝 『アンフィルター』編集人

宮城千恵 命どぅ宝を継承する会 代表

文英淑 金融機関職員

森本孝子 朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会共同代表

安川寿之輔 名古屋大学名誉教授

矢野秀喜 朝鮮人被害者補償立法をめざす日韓共同行動事務局長

山口智美 モンタナ州立大学教員

山本晴太 弁護士

尹李英愛 在日差別をなくす会 世話人

横山知枝 辺野古抗議船船長

吉澤文寿 新潟国際情報大学教員

与那覇恵子 元名桜大学教授

梁澄子  日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表

梁英聖 反レイシズム情報センター(ARIC)代表

梁・永山聡子 大学非常勤講師 ふぇみ・ゼミ運営委員 在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会委員

渡辺美奈 女性人権活動家

 

※このキャンペーンについての連絡、取材等はchoyokomondai@gmail.comにお願いします。

世話人一同(勝守、石川、乗松)



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