動物実験の情報公開を徹底してください

動物実験の情報公開を徹底してください
この署名で変えたいこと
動物実験は科学研究や製剤開発、教育などのために大学その他の研究所や企業などで行われています。動物に薬剤を投与したり、手術で人為的な疾患を作り出したりする過酷なものも多く、海外では動物福祉の観点から法規制がされていますが、日本では拘束力を持った法規制はありません。このため、海外では法律に基づき、政府が動物の使用数などを把握・公開していますが、日本では動物の正確な使用数も、どこにどんな実験施設があるかも把握されていません。
このような状況の中で、社会への透明性を確保するための最小限度の仕組みとして、文部科学省が2006年に作成した指針の中で、動物実験に関する情報公開がうたわれています。
ところがこの指針には強制力がないことに加え、公開すべき内容(項目)が(例示はされているが)特定されておらず、公開方法(ホームページ、印刷物など)も決められていません。
私たち NPO法人 地球生物会議(ALIVE) は、2013年から全国の動物実験を行っているとみられる大学等(文部科学省所管の機関)を対象として、各機関の情報公開度に関する調査を行ってきました。
その結果、動物実験に関する何らかの情報を掲載している機関は多いものの、市民の一番の関心事であると考えられる、①何のために、②どんな実験を、③どれだけの動物を使って、④どれほどの苦痛を与えたか がほとんど公開されておらず、その他にも以下のような問題のある機関が多くありました。
- 動物実験の実績(計画書件数、実験動物使用数、飼養保管数等)や動物実験委員会の実績(教育訓練や委員会開催、議事録等)を一切公開していない機関
- 動物実験に関する規程のみを公開している機関
- ホームページで公開せず、年報などの印刷物のみで公開している機関
- 機関全体ではなく、一部の部局の情報しか公開していない機関
私たち ALIVE は2014年に文部科学省(ライフサイエンス課)に対して改善を求める要望書を提出しましたが、文部科学省は指針は強制ではなく、個別の機関に対する指導は行わない、としています。
情報公開を行うことは、内外に対して機関の現状やスタンス、ポリシーを明らかにすることで、緊張感が生まれ、不正行為や不適切な行為の防止につながり、実験実施機関にとっても、動物福祉を望む社会にとってもメリットが大きいと考えられます。
このような観点から、私たちは文部科学省に対して以下の事項を求めます。
- 情報公開に問題のある機関に対して科学研究費等の補助金の交付を行わないこと
- 公開すべき内容(項目)を特定すること
- 情報公開の方法はインターネットを原則とすること
- 情報公開を法律で義務付けること
※参考:
文科省所管機関の情報公開度調査(動物実験)
http://www.alive-net.net/animal-experiments/information-disclosure_alive108/index.html
ALIVE資料集 No.35 文部科学省が所管する機関の動物実験に関する情報公開度調査
http://www.alive-net.net/material/materialbook/siryou35.htm
文部科学省へ「動物実験の情報公開に関する要望書」を提出
http://www.alive-net.net/animal-experiments/youbou/2014/2014youbou-jyouhoukoukai.html