教員の長時間勤務に歯止めをかけ、豊かな学校教育を実現するための全国署名

教員の長時間勤務に歯止めをかけ、豊かな学校教育を実現するための全国署名
人にはゆとりがないと、いい仕事ができません。ゆとりなく働きすぎると、人はこわれてしまいます。じっさい学校では長時間労働がまん延し、病気による休職者は増える一方です。
若者も教職を敬遠するようになり、学級担任も確保できない「教員不足」がおきています。
このままでは学校がもちません。
こうなった原因は、教員をとりまくシステムにあります。教員に残業代を支給しない法律(給特法、1972年施行)の下で、教員の残業は増え続けました。
学校の業務量にみあった教職員が配置されているのか?という問題もあります。
子どもが学び育つためには、ゆとりをもって真剣に接してくれる教員が必要です。
員の元気を取り戻し、子どもの豊かな成長を!
私たちは、教育研究の成果に基づいて、この解決には少なくとも次の3つの事項が不可欠だと考えます。
1 教員にも残業代を支給すること
「残業させたら割増賃金をはらう」 これは長時間労働に歯止めをかける世界の共通ルールです。ところが、52年前、公立学校教員には本給の4%分の教職調整額を支給する代わりに、「原則として残業は命じない」、「残業代は支払わない」という法律(給特法)がつくられました。しかし、実際には、学校の仕事も残業も増える一方です。裁判所も「給特法は、もはや教育現場の実情に適合していない」との判断を示しました。今の仕組みを大きく変える必要があります。
2 学校の業務量に見合った教職員を配置すること
多くの教員が過労死ラインで働いています。それでも、授業準備のために十分な時間を使うことが難しいという現実があります。学校の業務量に対して、教員が少なすぎるのです。これを解消しないかぎり、教員の長時間労働は解決しません。このままでは、教職志望の若者を確保することもできません。学校の業務量に見合った教員数を確保する必要があります。
3 これらを実現すべく教育予算を増額すること
日本の教育予算(対GDP比)は、世界的に見てもたいへん低い水準にあります。でも、子どもに豊かな学びを保障するためには、教員を適切に配置しなければなりません。働きに見合った給与を教員に支払うのは当然です。そのために必要な教育予算を確保することは、国の務めです。
この要望事項に賛同する方々の署名とともに提出します。政府として適切な措置を講じてください。
教員の長時間勤務に歯止めをかけ、
豊かな学校教育の実現を求める教育研究者有志
内田 良(名古屋大学教授)
尾木直樹(法政大学名誉教授)
片岡洋子(千葉大学名誉教授)
勝野正章(東京大学教授)
菊地栄治(早稲田大学教授)
小国喜弘(東京大学教授)
小玉重夫(東京大学教授)
佐藤 学(東京大学名誉教授)
澤田 稔(上智大学教授)
志水宏吉(大阪大学教授)
清水睦美(日本女子大学教授)
高橋 哲(大阪大学准教授)
中嶋哲彦(愛知工業大学教授)
中村雅子(桜美林大学教授)
浜田博文(筑波大学教授)
広田照幸(日本大学教授)
前川喜平(現代教育行政研究会代表)
松下佳代(京都大学教授)
山本由美(和光大学教授)
吉田 文(早稲田大学教授)
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紙の署名用紙で集めたい、とのご要望をいただきました。
そこで、署名用紙を作成するためのデータ・ファイルを用意しました。A4用紙に両面印刷してご使用ください。カラーですが、モノクロ印刷でも結構です。
第一次集約は9月ごろ、第二次集約(最終)は年内を予定しています。
ご協力いただける方は、下記のメール・アドレス宛にご連絡ください。その際、メールのタイトルを「署名用紙希望」としてください。署名用紙のデータ・ファイルをお届けします。その先、集めた署名の送り先もお知らせします。
zenkokushomei@gmail.com
署名用紙の作成や郵送の費用は、申し訳ありませんが、みなさまでご負担ください。