聴覚障害者がわかる“映像コンテンツの音の視覚化”を法制化しよう

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“無意識のうちに日本映画は、選択肢から外している”

 私の妻は聴覚障害でまったく耳が聞こえません。映像作品に登場する人物が日本語を話していたとしても字幕がついていなければ映像を楽しむどころか内容を理解することができません。

 私も妻も、劇場やホームシアターで映画や映像作品を観ることが共通の楽しみです。ところが洋画作品を観る容易さに比べて、アニメや邦画作品を観ることについて、いつもハードルの高さを感じています。(…今のところ)過去のテレビアニメはほぼあきらめるしかないでしょう。邦画についても運まかせだったり、かなり気合いを入れてタイミングを合わせる必要があります。では具体的な理由を挙げましょう。

 理由の1つは、日本語字幕を付与して上映される邦画作品が少ないこと。もう1つは、日本語字幕が付与される邦画作品であっても上映期間や回数が極めて少ないこと。もう1つは、アニメや邦画作品が、光学ディスクなどのメディア媒体や、映像配信などの動画コンテンツになる際、日本語字幕が付与されることが殆どないことです。今こちらをご覧いただいている『聞こえる人達』の日常では、残念ながらこれらの事象を気にかけることは少ないかもしれません。でも、今日という日をきっかけに『聞こえない人達』の存在を少しだけ考えてみませんか。

 映画ファンであれば誰しも映画館で映画を楽しみたいものです。しかし日本語字幕のない上映作品は『聞こえない人達』にとってスクリーンで観ることの出来ない、選択できない作品であることを知ってください。さらにもし、映像作品がメディア媒体になる際にも日本語字幕が付与されないとなれば『聞こえない人達』にとってその作品は、生涯にわたって観ることの出来ない作品となります。『聞こえる人達』にとって当然のように存在しているそれらの映像作品は『聞こえない人達』にとっては「この世に存在しない作品」となることを知ってください。日本に生まれているにも拘らず日本の作品が見られない『聞こえない人達』の存在を知ってください。

 厳密に言えば、セリフだけを表示した、ただの「日本語字幕」と、聴覚障害者に配慮した「バリアフリー字幕」には違いがあります。

 洋画ですと当然のように選択できるのが、セリフだけを表示した「日本語字幕」です。これだけでも十分ありがたいです。作品の内容がわかるのと、わからないのとでは天と地の差つまりは「1」と「0」の差があるからです。どういうことかと言うと、『聞こえない人達』が自分たちが見られる作品として「1」と数えることが出来るからです。「日本語字幕」がなければその作品は観ることが叶わず「0」と数えることになります。字幕がこれほど有難いことはありません。

 しかしながら、この「日本語字幕」は、実はセリフの進行しか表現できていません。『聞こえない人達』にとっては、一人の(白色の)話者のセリフが終始進んでいるだけで、誰がしゃべっているかすらわからないのです。さらに、画面で見えない「足音」や「ドアが開く音」「電話の音」「銃声」「悲鳴」「爆発音」「長いBGM(背景音楽)」といった音の情報をまったく与えられないままエンディングを迎えます。「音」をきっかけに起こる出来事はすべて置いてけぼりを食らうのです。それでも先ほど言ったように「字幕がないより十分ありがたい」。このように『聞こえない人達』は思っています。

 1995年放映のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」が、2015年の Blu-ray BOX 発売にともないバリアフリー字幕を収録しました。このときようやく耳の聞こえない妻と2人、観たかったシリーズを鑑賞できたことに感慨深くなりました。当時、成人間近のときのアニメ作品が、40を目前にしてついにこの世に全貌を現したわけです。20年の歳月が経っていました。

 これは聴覚障害者の問題であると同時に、予期せぬ病気や事故で生じる難聴等の危機管理の問題でもあり、今日の高齢化社会において老齢化していく健聴者の問題でもあります。また聞き取りづらいセリフや難解な作品など、健聴者に字幕がもたらす恩恵も少なからずあり、いわばすべての日本国民に考えてほしい問題です。しかし、このキャンペーンは“日本語字幕で日本を埋め尽くせ”とは言っていません。必要とする人に確実に“日本語字幕”を届けたい、届けてくださいという願いの表明です。

 20年以上にわたり毎年、「全日本聾唖連盟」「中途失聴者難聴者協会」が政府や文化庁に字幕付与の願いを申し入れしていますが、長期にわたり満足のいく結果になっていないのが実情です。聴覚障害者という少数派の厳しい現状です。多くの人に~忘れられた『聞こえない人達』の存在~を知っていただき、政府によるすべての映像コンテンツへの字幕付与の法制化を目指したいと思います。

< 参考映像 >
NONFIX 「日本映画が見たい」
https://youtu.be/JwFI-3yOomY?list=PLBBB1379E826D0822
2008年フジテレビで放映されたドキュメンタリーです。

NONFIX : 日本映画が見たい… ~忘れられた『聞こえない人達』の存在~ - フジテレビ
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2008/564.html

 最後にひとつ言わなければいけません。それは日本語字幕を付けただけではすべての解決に繋がらないことです。『聞こえない人達』の中にはきちんと日本語を学べなかった人達もいるからです。という訳で、このキャンペーンのタイトルは“映像コンテンツの音の視覚化”とし、少なからずその解釈に余地を残しています。



今日:川村さんがあなたを信じています

宜央 川村さんは「政府: 聴覚障害者がわかる“映像コンテンツの音の視覚化”を法制化しよう」キャンペーンにあなたの手伝いも必要としています!川村さんと203人の賛同者と一緒うに賛同しましょう。