就職氷河期世代支援プログラムを実効性のあるものにしてください!

就職氷河期世代支援プログラムを実効性のあるものにしてください!

政府は「就職氷河期世代支援プログラム」を発表し、ようやく氷河期世代の支援に乗り出しました。しかし詳細については未だ不透明で、真に実効性のあるものになるかどうかは未知数な状況です。この問題は長年放置され続けてきただけに、掛け声だけに終わらないとも限りません。そこで氷河期世代ユニオンでは、このプログラムが真に実効性のあるものとなるよう「就職氷河期世代支援推進室長宛」に以下のような申し入れをおこなうことにしました。この署名は申し入れと共に提出することで、その効力を高めようとするものです。どうぞお1人でも多くの方にご協力いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
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先般、政府から発表された就職氷河期世代支援プログラムが真に実効性のあるものとなるよう以下の通り申し入れる。
【理由】
バブル崩壊後10年以上に渡り続いた就職氷河期は、企業優位の雇用環境の中で、労働者の健康と精神を蝕み、不当に賃金を支払わないことで利益を上げるブラック企業を蔓延させた。また、年齢や職歴等を理由に採用を拒否する企業の態度により、景気回復後の再就職が困難となった世代が労働市場に取り残された。さらに雇用形態による差別は不本意ながらも非正規雇用としての労働に従事した労働者の権利を奪い、尊厳を傷つけた。このような状況が長年に渡り放置され続け、少子化や人手不足、老後不安 といった新たな社会問題を引き起こすに至った。よって政府がこの問題に真摯に向き合い対処することは当然の責務と言える。
【就職氷河期世代支援プログラム】
一、就職氷河期世代支援プログラム(以下、本プログラム)の対象者は可能な限り広く規定し、個別の事情については専門の相談員が判断すること
一、就職氷河期世代支援窓口を各ハローワークに最低1箇所設置すること
【ブラック企業】
一、労働基準監督官を大幅に増員すること
一、過去に労基法等の法令違反があった企業の求人は、新卒求人と同等の基準で不受理とすること
一、反社会勢力と関わりのある求人は完全に排除すること
一、雇用保険の自己都合退職による支給制限を撤廃すること
【採用差別】
一、雇用対策法 施行規則第1条の3第1項「例外事由 3号 イ」に年齢の下限を設けること
一、雇用対策法逃れを目的とする非公開求人を全面禁止すること
一、採用差別防止の観点から現行の履歴書様式を廃止し、自由記述方式とすること
一、企業の採用活動に際しては、従業員の年齢構成が日本の人口動態比率に近づくよう努力義務を課すこと
一、公務員の採用活動に際しても、職員の年齢構成が日本の人口動態比率に近づくよう努力すること
【職業訓練】
一、現行の職業訓練を行政主体から民間主体に切り替え、企業の需要と受講者の実情に沿った内容に改善すること
一、実務経験者と同等の業務能力を習得できる職業訓練コースを創設し、誰でも実務経験が必須の求人に応募できるようにすること
一、イーラーニングを推進し、職業訓練の受講機会に地域差が生じないようにすること
一、教育訓練給付制度の適用範囲を拡大し、通信制、夜間制のほか、大学、大学院においても、就労可能な全年代の人に対し、制度が適用されるようにすること
【不安定雇用】
一、派遣社員が派遣先を雇い止めになった際には、速やかに失業給付金が支給されるようにすること
【均等待遇】
一、非正規雇用労働者の職場での差別的な待遇に罰則を設けること
一、非正規雇用という理由だけで、通常の労働者と賃金(賞与、諸手当含む)に差をつけることを禁止すること
【新卒一括採用】
一、新卒一括採用を段階的に廃止し、在学中の学生に対する企業の採用活動を全面的に禁止すること
一、学卒後の留学、起業、ワーキングホリデー、NGOなどの活動を積極的に支援すること
一、奨学金の返済は学卒後、最大10年間の猶予を無条件で設けること
【就職以外の支援】
一、全国の就業支援施設の名称から若者という文言を外し、就業可能な全年代の人が利用できる施設にすること
一、個人の起業を支援するため、全国の市区町村に行政主体のコワーキングスペースを設置すること
【本プログラムの成果の算出】
一、労働力調査で、現在10歳単位となっている年齢階級を1年度毎に改め、再集計すること
一、統計の分析は大学や民間のシンクタンクに委託し、第三者の視点から政策を評価すること
【少子化】
一、イーラーニング等の導入により教育費にかかる費用を最小化すること
一、子供の医療費を義務教育修了まで無償化すること
一、給食費を無償化し、子供食堂に対する助成金制度を設けること
【人手不足】
一、介護、建設、運輸等の人手不足とされる業界については、労働基準法等の法令遵守を徹底させること
一、外国人労働者の受け入れは、日本人の求職者に対する徹底した就業支援の後におこなうこと
一、外国人労働者の労働条件は日本人と同等の水準とすること
【老後不安】
一、65歳以上の全ての人を対象にベーシックインカム制度を導入すること
一、65歳以上の人の医療費は無償とすること
以上