専守防衛を空洞化する敵基地攻撃能力の保有に反対します!-岸田内閣に安保3文書の撤回を求め、防衛費倍増・防衛増税に反対しますー

専守防衛を空洞化する敵基地攻撃能力の保有に反対します!-岸田内閣に安保3文書の撤回を求め、防衛費倍増・防衛増税に反対しますー

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発信者:自由法曹団 本部 宛先:岸田文雄 (内閣総理大臣)

 岸田内閣は、2022年12月、「安保3文書」(※1)を閣議決定し、これまで憲法上保有できないとしてきた「敵基地攻撃能力(反撃能力)」(※2)を保有することにしました。そのための長距離ミサイル購入費用など5年で43兆円ものお金をつぎ込もうとしています。巨額の防衛費を捻出するため所得税増税、国債発行、医療関係費の転用などをする方針です。憲法前文、9条、41条などに反する暴挙です。

 私たちは、岸田内閣による「安保3文書」の閣議決定に抗議し、岸田内閣につぎのことを求めます。
①  「敵基地攻撃能力」の保有を掲げた「安保3文書」の閣議決定を撤回すること
②  「安保3文書」に基づく「5年で43兆円」もの防衛力増強・防衛費倍増計画をやめること
③  防衛費倍増のための増税・国債発行・社会保障費等の削減をやめること     

【オンライン署名を始めた理由】

●「敵基地攻撃能力」の保有は「専守防衛」を逸脱する憲法違反です。
●「敵基地攻撃能力」の保有は、米軍と一体となっての戦争突入、南西諸島や沖縄など日本の国土を戦場にする危険を高めます。
●「敵基地攻撃能力」の保有は、戦争の抑止にはつながらず、周辺諸国との緊張を高め、際限のない軍拡競争を引き起こします。
●日本は世界最悪の借金国家、少子高齢化社会です。限りある予算は、社会保障の充実、教育・子育て支援の強化、新型コロナ対策、環境保全などに充てるべきです。

1 「専守防衛」を踏み越えて先制攻撃に踏み出し、米軍とともに戦争に参加することになるおそれ

①   武力攻撃の「着手」と政府が判断したら直ちに攻撃可能
「敵基地攻撃能力」は我が国に対する「武力攻撃が発生した場合」に行使するとされていますが、政府は、「武力攻撃が発生した場合」とは「相手国が武力攻撃に着手したとき」であるとしています。
 何をもって「着手」とするかは判断基準が示されておらず、「着手」の正確な認定は困難ですので、現実の攻撃がなくても、また、実際には「着手」ですらなかった場合でも、「相手が攻撃に着手した」と政府が判断した段階で日本からの「ミサイル攻撃」が開始され、憲法にも国際法にも違反する先制攻撃となりかねません。
 しかも、「安保3文書」では、その攻撃対象も明示されておらず、「相手の領域」における様々な拠点や施設等が目標とされる可能性があります。

②   日本に対する攻撃でなくても「反撃」する
 また、「敵基地攻撃能力」は「武力行使の三要件(※3)を満たす場合に行使しうる」とされていますが、これには「我が国に対する武力攻撃が発生した」場合のみならず、「我が国と密接な関係のある他国に対する武力攻撃が発生し」我が国に一定の危険があると判断された場合(存立危機事態)も含まれています。
 これによって、例えば、米国に対する武力攻撃の着手があった場合に、我が国が当該相手国の領域にスタンド・オフ・ミサイル(※4)を撃ち込む事態が当然に想定されます。そうなると、日本は米軍と一体となっての全面戦争へ突入することになりかねません。
 このような「敵基地攻撃能力」を米軍と一体となって先制的に行使することは、憲法前文の平和主義並びに国際紛争を解決する手段としての戦争を禁止した憲法9条1項に反することになりますし、そのような能力はもはや自衛のための必要最小限度の実力にはあたらず、憲法9条2項が保有を禁ずる「戦力」にあたるものと考えます。   

2 「敵基地攻撃能力」の保有は周辺諸国への脅威となり抑止よりも武力衝突の危険を高める

 また、先制的に他国の領土を攻撃できる軍事力を保有することになれば、北東アジア諸国をはじめとする周辺諸国に対する大きな脅威となりかねず、周辺諸国は反発し、抑止よりもかえって外交上の緊張が高まることが容易に想定されますし、そのことを指摘する報道もあります。
 加えて、スタンド・オフ・ミサイルの主要な配備先とされる南西諸島における陸上自衛隊の増強や機動展開能力の強化等も明記されていますが、これは相手国からすれば「反撃」の対象となることを意味します。南西諸島への軍備増強が、かえって、沖縄を再び戦場にする危険をもたらします。 
 「敵基地攻撃能力」の保有は、日本に平和と安全をもたらすものではなく、自ら緊張を高め、日本を際限のない軍拡競争に駆り立てるとともに、その行使によって相手国からの報復攻撃を呼び込み、沖縄をはじめとする日本の国土を戦争の惨禍にさらす危険の高いものと言わざるを得ません。

3 大軍拡で国民生活を危機に陥れることになりかねない

①   なぜ「43兆円」なのか?どこまで増やすのか?
 第2次安倍政権発足以降、軍事費は増加の一途をたどっており、日本はすでに世界でも有数の軍事力を有する国となっています(※5)。
 そこへさらに、「安保3文書」では、2023年度から2027年度までの5年間における防衛力整備の水準に係る金額を43兆円とし、2027年度時点での予算水準がGDP比2%に達するよう所要の措置を講ずるとしています。
 しかし、なぜ5年間で43兆円なのか、なぜGDPの2%なのかについて、説得的な説明はなく、これにより他国による侵攻を抑止できるとの説明もありません。「対米公約」による「規模ありき」の膨張と言わざるを得ません。

② 待ち受けるのは大増税
 財源については、「歳出・歳入両面において所要の措置を講ずる」としていますが、歳出面で防衛費を増やせば、勢い、福祉予算の削減など他の費目の予算を大きく圧迫します。
 歳入面での工夫は増税以外ありません。岸田首相は2022年1月の衆院予算委員会において「子ども予算倍増」を掲げる一方で、前年の衆院選、2022年の参院選のいずれにおいても増税を公約としていませんでした。いまだに教育や子どものための予算には道筋もつかないにもかかわらず、防衛費に関してはすでに政府与党内で所得税を含む増税の方針が具体的に検討されており、防衛力強化の名のもとに、コロナ禍と物価高で苦しむ国民生活がさらに圧迫されることが大いに危惧されます。
 増税への批判をかわすため、その財源に国債を充てることも打ち出されていますが、それは、すでに国債発行残高が1000兆円を超える超赤字国家である日本において、さらなる負債を将来世代に押し付けるものにほかなりません。  

4 政府が勝手に憲法の原則を破ることは許されない

 「安保3文書」は、これまでの安全保障政策の根幹を大きく転換させ、憲法前文の平和主義、憲法9条の戦争放棄・戦力不保持を実質的にやぶるものであり、かつ、すでに世界有数の軍事力を有する日本でさらに防衛費を大幅に増やして国民に重大な負担を強いることになるものです。
 自国の安全に対する脅威にどう対処するかについては、「安保3文書」が打ち出したように「力には力で」という考え方もありますが、私たちは、「力比べ」は一触即発の緊張状態をもたらすだけであって、平和憲法を持つ日本は、平和的な外交を積み重ねることによって緊張を緩和し、核廃絶を含む軍縮を訴えて、国際的秩序の維持と国際平和の確保を目指すべきと考えます。
 こうした大きく意見がわかれる事項についての重大な変更を、国民にはかることも、国会にはかることもなく、政府の一存で勝手にやってしまうことは、国葬実施にも見られた甚だ非民主主義的な姿勢であり、手続的にも、「国権の最高機関」(憲法第41条)とされる国会を無視するものと言えます。
 日本は、2009年以降、毎年人口が減少しています。2022年の出生数は約77万人(1899年の統計開始以来初の70万人台)と報じられました。死亡者数は年間約140万人に上っています。少子高齢化への対策、社会保障の充実、教育・子育て予算の強化こそが急務ではないでしょうか。新型コロナ対策、地球温暖化対策、環境保全にももっと力を入れるべきです。
 日本を戦争の危険にさらす敵基地攻撃能力の保有、歯止めのない防衛費の増大、そのための増税・国債発行など許すことはできません。
 よって、「聞く力」をうたう岸田内閣に声を届けるべくこの署名を呼び掛けることとしました。どうぞご協力のほどよろしくお願いします。

以上

※1 最上位の戦略文書である「国家安全保障戦略」、おおむね10年の防衛目標の設定と方法・手段を明記する「国家防衛戦略」(旧防衛大綱)、10年後の体制を前提に5年間の経費の総額、装備品の数量等を記載した「防衛力整備計画」(旧中期防)の3文書。岸田内閣は、2022年12月16日、安保3文書を閣議決定し、相手の領域を攻撃できる敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有、今後5年間の防衛力増強のための経費を43兆円程度とすることなどを打ち出しました。
 自由法曹団は2022年12月17日付常任幹事会決議でその白紙撤回を求めています。
https://www.jlaf.jp/04ketsugi/2022/1219_1442.html

 日本弁護士連合会も同月16日付で「『敵基地攻撃能力』ないし『反撃能力』の保有に反対する意見書」を発表しています。
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2022/221216.html

 自由法曹団神奈川支部は、【弁護士が解説!たった10分強で分かる】「防衛費」なぜ増額?GDP比2%?使い道は?の動画をアップしています。

※2 安保3文書は、「我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、武力の行使の三要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンド・オフ防衛能力等を活用した自衛隊の能力」と定義される「反撃能力」を保有することを表明しました。この「反撃能力」は、従前は「敵基地攻撃能力」と表現されていました。「安保3文書」および政府の説明によれば、この「能力」は、相手からの攻撃の「着手」があれば行使可能とされており、また、我が国への武力攻撃だけでなく、米国のような密接関係国への攻撃「着手」があった場合にも行使するとされていますので、純粋に「反撃」のためのものとは言えません。したがって、私たちはこの「反撃能力」について「敵基地攻撃能力」という用語を使用します。多くのマスコミ等も「敵基地攻撃能力」又は「敵基地攻撃能力(反撃能力)」と呼称しています。

※3 安保3文書が引用する「武力行使の三要件」とは、第2次安倍政権が閣議決定したもので、次の3つです。

① 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
② これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
③ 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

 この①のうち、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」とされた場合(存立危機事態)の武力行使は集団的自衛権と呼ばれるものです。国民の強い反対にもかかわらず2015年に成立した安保法制に盛り込まれました。「我が国と密接な関係のある他国」とは主に米国を指していると考えられます。今回の国家安全保障戦略でも、敵基地攻撃能力の行使は「日米が協力して対処していく」とされていますので、日本が米国と一体となって戦争に突入していく危険が高まっています。

※4 スタンド・オフ・ミサイルとは、今回の安保3文書で保有することとされた敵基地攻撃能力の中心的な兵器で、遠方から敵を攻撃する長射程のミサイルのことです。「12式地対艦誘導弾」の能力向上(射程を1000㎞以上に延伸)と生産、米国製の長距離巡航ミサイル「トマホーク」(射程約1600㎞)の大量導入などが計画されています。

※5 日本の軍事力は、軍事費491億ドル、兵力25万人、戦車1000両、戦闘機300機、潜水艦22隻、ヘリ母艦(軽空母)4隻、と公表されており、多くの軍事力ランキングサイトで共通して、米ロ中印に続き「世界第5位」とされています。

【自由法曹団とは】
 自由法曹団は、1921年(大正10年)に神戸における労働争議の弾圧に対する調査団が契機となって結成された弁護士の団体です。2021年には創立100周年を迎えました。「基本的人権をまもり民主主義をつよめ、平和で独立した民主日本の実現に寄与すること」であり、「あらゆる悪法とたたかい、人民の権利が侵害される場合には、その信条・政派の如何にかかわらず、ひろく人民と団結して権利擁護のためにたたかう」ことを目的としています。2022年8月から10月までおこなった故安倍元首相の国葬に反対するchange.orgのネット署名には約12万人の方にご賛同いただきました。
https://www.jlaf.jp/01about

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