新型コロナウイルス感染症の拡大防止、 疾患をもつ患者の通院不安の解消に、 オンライン診療のさらなる利用推進を!

新型コロナウイルス感染症の拡大防止、 疾患をもつ患者の通院不安の解消に、 オンライン診療のさらなる利用推進を!

新型コロナウイルス感染症が、国内でもますます拡大を続けています。同時に、全国で健康に不安を抱えながら生活する人々が増加しています。
このかつてない危機に、今こそ、オンライン診療のさらなる利用の推進が必要だと私たちは考えています。
オンライン診療は、スマートフォンなどのデバイスを利用して通院をすることなく医師の診療等を受けられ、通院による感染リスクや院内感染を減らす手段です。
しかし、オンライン診療が受けられる条件は、現在一時的に緩和されているものの実際に利用できる医療機関はまだまだ多くありません。
1年間に日本の医療機関が実施するレセプト(診療報酬明細書)数は約1億件。そのうち、オンライン診療が利用されたものは約100件しかなく、全体の約0.0001%にしか過ぎないというのが現状です。*
*中央社会保険医療協議会総会資料(2019年9月)平成30年度診療報酬改定後の算定状況等について
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新型コロナウイルス感染症が国内で広がりを見せる中、こんなにもさまざまな方々が不安を抱えて生活をしています。
「糖尿病などの慢性疾患をもつ患者、高齢者」
新型コロナウイルス感染症に感染した場合、健常者や若年者と比べて重症化しやすいため、通院による感染を恐れて、結果として薬の入手ができない。
*高齢者などのITデバイスを使い慣れていない方には、電話による診療も方法の一つと考えます。
「希少疾患をもつ患者」
自宅から離れた大規模病院に通院している場合が多く、病院内はもちろん移動中の感染リスクを不安に感じている。また、もし感染した場合は重篤化し、命の危険にさらされることになる。
「慢性疾患を抱える保護者」
保育園・小学校の一斉休校で自宅を離れられず、通院自体が困難に。子ども連れでの通院にも不安が大きい。
「発熱や咳などの症状がある患者」
もしも医療機関への通院を断られた場合、不安を感じながら自宅待機しなければならない。
【実際の患者さんの声】
(希少疾患をもつ患者)
“新型コロナウィルスが流行している現在、通院は脅威です。大学病院は混んでいるので出来れば行きたくないです。健康な人と比べ、ステロイドを服用している私は、感染したら重症化するかも知れません。また、疾患の症状として強い倦怠感や頭痛等があるので、コロナとの見分け方がわからないことにも不安を感じています。”
(カウンセリングで遠路を通院するがん患者)
“ガン治療後のカウンセリング目的でオンライン診療の利用を始めました。東京は遠い土地ですが、ぜひこの先生の診察を受けたいと思い、通院を始めました。それまでは泊まりで東京に足を運んでいたことを考えると、経済的・体力的両面で大幅に負担が減り、助かっています。”
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私たちは、新型コロナウイルス感染症が国内で拡大するこの現状で、不安を抱きながら生活をする患者さんや市民に適切な医療を届けるため、より多くの医療機関でのオンライン診療の活用促進を望みます。
1. さまざまな疾患を抱える患者さんへ、安心した治療継続を
慢性疾患・希少疾患・基礎疾患を抱えながらも感染を恐れて通院をためらっている患者さんが、オンライン診療を通じて必要な医療を安心して受けられる環境をつくりたい。
2. 新型コロナウイルス感染症の診療への活用を
いま、軽度の感染者に対するオンライン診療でのフォローアップが認められています。院内感染予防だけではなく、重症者をトリアージする(緊急度に従って優先順をつける)ことで、医療現場の崩壊を防いでいきたい。
新型コロナウイルス感染症によるかつてない危機に、今こそ、オンライン診療のさらなる利用推進を!ご賛同いただける方は、ぜひ署名をお願いします。あわせて、応援コメントもお待ちしております。
*なお、医療関係者に向けた声明文も発出されております。こちらをご参照ください。
<発案者>
・オンライン診療の健全な推進を図る医師有志
えびのセントロクリニック :長井 賢次郎
大橋眼科クリニック:島崎 美奈子
グローバルヘルスケアクリニック:水野 泰孝
慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 :岸本 泰士郎
小山内科クリニック:小山 研一
佐々木ハートクリニック :佐々木 玲聡
しょうのクリニック:庄野 嘉治
たにあい糖尿病・在宅クリニック: 谷合 久憲
東北大学大学院医学系研究科・てんかん学分野:中里 信和
はとがや緑内科クリニック:藪 剛爾
みくに内科眼科クリニック:三國 盛夫
目々澤醫院 : 目々澤 肇
山下診療所:山下 巌
祐ホームクリニック:武藤 真祐
(五十音順)
<賛同者>
・中枢性尿崩症(CDI)の会