コンビニのレジに指差しメニューを置いてください!

コンビニのレジに指差しメニューを置いてください!
日本には、吃音(きつおん)の症状によって、日常生活のコミュニケーションで困っている方々が約1%います。吃音とは、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。具体的には①「か、か、からす」と音を繰り返す連発②「かーーらす」と音を引き延ばす伸発③「・・・・・からす」とことばを出せずに間が空いてしまう難発の3種類の発話症状があります。(参考:吃音について)吃音は、2〜5歳で発症することが多く、その後数年で7割は自然治癒すると言われています。そのため、上記の1%というのは、成人で吃音が続いている人のことを指します。成人で吃音のある人は、非常に精神的に負担がかかってるケースが多く、実際、思春期以降で社会不安障害を併発する人の割合は、吃音のない人に比べて6割ほど多いとされています。
彼ら彼女らの中には、コンビニのレジで口頭で注文する揚げ物や中華まん、おでん、飲み物などの買い物に苦労している人が多くいます。例えば、肉まんを食べたいのにも関わらず、「肉まん」という言葉が発せず、買うことを諦めてしまったり、その時に発音しやすいピザまんを注文してしまったりなど、注文時に吃音の症状が出てしまい、欲しいものを購入できないといった状況が挙げられます。
そこでコンビニ業界で働く皆様にお願いがあります。 吃音の症状によって好きなものが買えない方々のために、「指差しメニュー」を作っていただきたいのです。指差しメニューとは、上記のファストフードやドリンクなどに写真や分かりやすい名前を付けて、一覧にしたメニューのことです。 指差しメニューがあれば吃音のある方は声を出す必要がなく、欲しいものを「指差す」ことで負担なく買い物が出来ます。
上記で説明したように、吃音の症状のある方々は精神障害を併発していることが多いです。吃音を隠そうとするため、会話を諦めてしまったり、発信の場を回避してしまうことで、自己肯定感や自信を失ってしまうためだと考えられます。 吃音のある人がその症状がありながらも、自信を持って自分の食べたいものを注文できる、その「当たり前のこと」を出来るようにしたいのです。
さらに吃音のある方々だけでなく、多くのお客様が、コンビニごとに違う商品名(から揚げなど)で迷ったり、レジから遠いためにわざわざファストフードのあるところに近寄らないといけない、といった煩わしさから解放される効果も期待されます。 さらに、店員の方々も、特にコロナ禍でマスクを着用しているために、注文を聞き取りづらいことから生じる齟齬や商品の取り間違いを防止することが出来ます。
このように、指差しメニューは吃音のある方だけでなく、お客様全体、そして働いている店員の方々にもプラスの効果をもたらすことが期待されます。そのため、会社として導入に多少コストがかかるとしても、その後の効果を鑑みると実行する価値があるのではないでしょうか?SDGs、そして「誰一人取り残さない社会」が世界中で叫ばれています。この指差しメニューはまさにその取り組みの一つです。CSRを通じて、ぜひ社会にも会社にも利益となる経済活動を行ってください!